1991年に創設した東京PL弁護団も、多数の欠陥製品による被害者の相談、救済にあたって、22年の活動を積み重ねてきた。具体的事件取扱の経験は、この間、製造物責任法の制定、消費者庁・消費者委員会の創設、消費者のための事故調査機関の設置など、我が国の製品事故被害の救済をめぐる法制度、消費者行政の進展にも寄与してきたと自負している。
しかし、繰り返されるエレベーター事故、リコール未回収製品による事故の多発、などの現状を見ると、未だ満足すべき状況には、到底至っていない。
訴訟の場においても、被害者が証拠収集し、立証を尽くすには、まだまだ法制度の上でも障害が多く、救われるべき被害者が救われていない。
我々は、法律家のみならず、製品や技術の専門家の協力も得て、現行法制度の中でもできる限りの力を尽くし、被害者の救済に引き続き取り組むとともに、法制度の改革にも意見を表明していくつもりである。
製品の事故でひとの生命健康財産が失われるという理不尽なことがなくなり、社会全体の安全が向上することを願って、微力ながら貢献できればと、考えている。
東京PL弁護団
代表
中村 雅人